一夏一冬
木曽の冬は寒い。
真冬になると原木の白太(辺材部分)が凍るほど過酷な環境の中で作業をしなければなりません。
そんな冬がもうそこまで来ています。
春になると新入社員を迎え、職人としての一歩を踏み出します。
手元から始まり、ようやく仕事に慣れてきたころ暑い夏を迎えます。
木曽の夏は涼しいとはいえ、夏は夏。
汗だくになりながら、ひたすらに割り続けます。
そして仕事の流れが分かってくるころ、過酷な冬を迎えます。
かじかむ手を必死にこらえながら、木に向き合います。
職人の仕事。
「一朝一夕」には覚える事ができません。
ただ「一夏一冬」を耐えた新人は、一回り成長した顔を見せてくれます。
そこからが勝負。
このサイクルを何年も続けていく中で、職人としても人間としても成長していくような気がします。
今年の冬も作業場は若手の熱気であふれています。