

京都市文化財建造物保存技術公開セミナー
京都市文化財建造物保存技術公開セミナー
(京都市:京都市文化財建造物保存技術研修センター)
(2007年3月20日の記事を改めて掲載しています)
去る3月3日、10日の二日間、文化庁と(社)全国社寺等屋根工事技術保存会主催の公開セミナーが行われました。
文化庁が進める文化財の「普及啓発活動事業」の一環として、一般の方々を対象に伝統技術をより身近に感じていただこうと開催されました。
両日とも、多くの方に参加を頂き、盛況のうちに終えることができました。当社からは、保存会企画委員である栗山弘忠が参加し、お手伝いをさせていただきました。
京都工芸繊維大学の先生の講演や、社寺建造物美術協議会、文化財畳保存会のかたがたの実演コーナー、当保存会でも「竹釘うち」の体験コーナーを設けました。
たくさんのかたがたの参加と、皆さんの協力で盛況のうちに終えることができました。今後もこのような活動を通じて、伝統技術の継承に一役買えればと願っています。


須佐男神社 手水舎
須佐男神社 手水舎(こけら葺:長野県木曽郡大桑村野尻)
(2007年5月17日の記事を改めて掲載しています)
弊社のすぐ近くにある、神社の手水舎です。本殿は300年以上前に建立されているのですが、今回、拝殿の解体工事と一緒に手水舎も建てなおしました。
以前は瓦葺だったのを、棟梁にお願いして「こけら葺き」にさせていただきました。
現在、コストの面から檜皮葺やこけら葺きの物件は重要文化財と一部の茶席にのこされているのみですが、技術の伝承とそれに対する理解の高揚のため、このような一般の建物に少しでも使用していただけたら、我々の仕事も後世に伝えていくことができると思います。
何よりも地元でこのような仕事をさせていただいた事、本当に嬉しく思っています。
総代さんをはじめとする関係者の皆様のご好意に深く感謝しています。


金具屋 潜龍荘のこけら葺
金具屋 潜龍荘 (こけら葺:長野県山之内町)
(2007年11月30日の記事を改めて掲載しています)
昨年の工事に引き続き、本年度も屋根の葺き替えを行いました。
隅や谷など入り組んだ形状でしたが、なんとか雪シーズン前に終了することが出来ました。
歴史ある建造物の保存に携われることの喜びを感じています。


池口寺薬師堂(長野県宝)のこけら葺き
池口寺薬師堂(長野県宝)(こけら葺:長野県木曽郡大桑村)
(2009年11月28日、旧サイトの紹介記事より) 大桑村殿の池口寺(西沢正樹住職)で、県宝・薬師堂の屋根や壁の復元工事が進んでいます。14世紀初頭の鎌倉時代の創建とされる歴史的建造物で、往時の状態を可能な限り再現する方針の下、徐々に建立当初の姿が現れてきました。
瓦葺きの屋根でしたが、瓦をめくると「こけら葺」で葺かれており、葺き材も多数出てきました。
今回の工事は住職のご理解もあり、こけら葺の軒付け工事をいたしました。予算の関係上、屋根は銅板葺となりますが、天然さわらの美しい色合いと柔らかな曲線が、古き建物に新たな息吹をあたえたように感じます。