

絶滅危惧種?
12月17日、伝統的建造物を支える技「伝統建築工匠の技」がユネスコ無形文化遺産に登録された。 こういった伝統技術に光を当てて下さる事は、私たちにとって栄誉なことである。 あいにくコロナ関連のニュースに埋もれて、それほど注目されなかったことが唯一残念ではあるが、国内のみならず世界からも認められた「技」として、今後さらなる精進が必要になってくる。 さて今回登録された技術は国の「選定保存技術」に認定されているものである。 これは文化財をはじめとする伝統的建造物を後世に伝えていくために欠かすことのできない技であり、保存の措置を講ずる必要のあるもの。と定義されている。 言ってみれば、国の助けがなければ「なくなってしまう」かもしれない技術であり、「技の絶滅危惧種」と言ってもよいだろうか?こんな事を書くと、誰かに怒られそうな気もするが、私は常々そう思っている。 国土の7割近くが森林に覆われ、豊かな資源に恵まれたこの国は、その恩恵を受けながら独自の技を磨いてきた。 檜皮葺や杮葺(板葺)、茅葺などの植物性資材を用いた屋根工法は、現在では重要文化財に代表される建物に


令和2年度 「文化庁長官表彰」の栄に浴して
この度、弊社会長 栗山芳博が令和2年度文化庁長官表彰の栄を賜りました。 これは「文化活動に優れた成果を発揮し、文化の振興に貢献された方々や日本文化の海外発信、国際文化交流に貢献された方々」に対して贈られるものです。 昭和42年の入社以来、50年以上にわたり屋根板製作全般の業務に携わり、代表として会社を切り盛りしながらも自らも技術の研鑽につとめ、代表を退いた現在も若手の育成に力を注いでおります。 また昨日12/17(木)、私たちの技術である「屋根板製作」が「伝統建築工匠の技」の構成要素として、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。今後は国内のみならず、世界からも注目される技術として、その意義をしっかりと見つめ直していかなければなりません。 普段目に触れることのない、我々の技術に光を与えて下さった事に深く感謝申し上げますとともに、 これまで支えて下さった地域の皆様方、そして豊かな木曽の自然に改めて御礼申し上げます。 今後も更なる研鑽を積み、直向きに取り組んで参りたいと存じます。 今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。 栗山木工有限会社 代表取締役


想いをペンにのせて
年賀状の季節がやってきましたね。 毎年ギリギリまで書き終わらない私ですが… コロナ禍の影響もあってか、テレワークが進み、電子署名や電子決済などの言葉を多く目にするようになりました。そういえば最近「脱ハンコ」なんてニュースもありましたね。 私だけが感じていることなのか?最近手書きの文書を見る機会が減りましたね… ビジネス文書に関しては、ほぼPCで作成された文書ですね。 もちろん、データとして残せたり、誰でも簡単に作成できますので利点は多いと思いますが、 何か味気無さを感じてしまいます。 私の場合は、見積書や請求書、納品書などを送付する場合にも、必ず一筆添えるように心がけています。 これは母が常々やっていたことで、毎月月末になると請求書に「いつもありがとうございます」の感謝の気持ちを込めて、手紙を添えていました。 手書きをするのは確かに面倒です。字も上手な方ではないし、PCから印刷してしまえば間違いなく速い。 でも、こちらが受け取った書類に何か一筆添えられていると、ちょっと心が温まります。 まっさらな紙に向かって、宛名を書いているその瞬間。 相手の顔


本は手で読む
初雪の便りがちらほら届き始めています。 ここ木曽にも真っ白な季節がそこまで来ています。 先日、取引先の社長さんから本をお貸し頂きました。 こんな機会でもなければ、なかなか読む時間もありませんし、内容に興味もありましたので、久しぶりに本と向き合い、すべてを忘れ、その時間を楽しみました。 本を手に取り、ページをめくり、読み進め、あれ?と思えば、振り返るためにまたページをひっくり返し、、、 当たり前の作業なのですが、何か「しっくり」くるものがありました。 そうそうこの感覚! 紙の手触り、光の当たり方による紙の色の変化、何より本を抱える両手に感じる重さ、温かさ… タブレットやスマートフォンがあれば、いつでもどこでも手軽に本を読むことが出来る時代。 紙媒体の雑誌や書籍の売上は落ちているようですが、私にはどうも合いません。 もちろんニュースなどの記事はスマートフォンで確認したりはしますが、その場限りの情報であって 頭には残りません。気になった記事は、結局プリントアウトして、読み返していました… こういった状況に、いささか違和感を感じていましたが、ようやく腑に