

好きだからこそ
先日、とある現場の打合せに伺うと、小気味よく釘を打つ若手職人を見つけました。彼女は数少ない女性屋根葺士の一人で、縁あって学生時代からよく知っている子。 「この仕事がしたい!」とまっすぐな瞳で語っていたことを思い出す。もう4年くらい経つだろうか? 男尊女卑とは言わないまでも、男中心の職人の世界の中で、苦労や悩みも多かったことでしょう。 久しぶりに再会し、彼女の手を見た時、その苦労や頑張りが見て取れました。あどけなさは残るものの、顔だちもしっかりし、その凛とした姿勢は間違いなく「職人」。 この先もくじけず、がんばって続けてほしい! 心から願っています。 さて、弊社においては次代を担う職人を養成するため、年間を通じて採用活動を行っています。 この頃多いのが、女性の方の応募。ここ数ヶ月の間に、4名の方から応募があり、会社見学を随時実施しています。 応募者の年齢や職業はさまざまですが、皆さん一様にこの仕事に憧れを抱き、価値を見出してくれています。 「女性にもできますか?」よく聞かれます。 答えは「正直わかりません」。なぜなら、今のところ存在しないからです。


木(器)用貧乏
「どんな人がこの仕事に向いていますか?」 採用活動を進めていく中でよく聞かれます。 「体力と忍耐力のある人ですかね」そう答えます。 私も20年以上、この仕事に携わっていますが、 果たして私はこの仕事に向いているのでしょうか?? そうは言っても私たちは「ものをつくる」仕事をしていますので、向き不向きは、もちろんあります。 器用な人は仕事を覚えるのも早いし、なんでも卒なく こなしていけますよね。(うらやましい) 私の場合は…と考えてみると。 結局のところ、木が好きなんでしょうね。 仕上がった板を見ていると、やっぱりキレイです! さて、本題です。 器用な人よりも不器用な人の方が、最後は大成する。 「器用貧乏」という言葉は、私たちの仕事にも通じるものがあるような気がします。 器用な人は何でもすぐに出来てしまうので、努力を怠る傾向があります。 (そうではない場合もあるので悪しからず…) 反対に、不器用な人は努力しないと置いてかれてしまうので、必死に頑張ります。 ただ、苦労も多いし、悩みも絶えません…。正直つらい事ばかりかもしれません。 ここで折れてしまう人