「木」を「工」夫する
「木工」とは、テーブルや椅子などの家具、桶やまな板、お椀などの日用品、その他木材を使った商品を製作し販売する仕事というのが一般的なイメージでしょうか。
「木工」の仕事がしたい!と思って色々さがしているうちに、幸か不幸か当社を見つけてしまった皆さん、おそらく「あれ?」と思う事でしょう。イメージしていた仕事と全然違う…と。
実際、そういった問い合わせも多いですけど(^^;)
木を使って何かを作り出す作業を広く「木工」というのだと思いますが、そう考えるとかなり広範囲な仕事になりますね。
私達の作っている「杮板」。これも「木工品」です。
では、家具や一般的に言われる木工品との大きな違いは何でしょうか?
それは「生木を割って製品を作っていく」ということ。
使う道具は、ほんのわずか。槌と包丁のみ。
また、定規をほとんど使わず「だいたい」の目検討で厚みを揃えていきますので、
家具や建具、指物のように精度を求められると…困ります(^^;)
一つ一つの厚みは微妙に違いますが、屋根になった時にはしっかりと納まる。
これで良い。これが良い。
おおざっぱな中に、繊細さが求められる仕事といえるでしょうか。
ただ、木を扱っている中で、通じる部分はたくさんあるように思います。
家具を作る方々が、使う人のことを一生懸命考えて木と向き合っているように、
私達も出来るだけ長持ちするように良質な材を選別し、使う職人さんを想いながら木と向き合います。
そう考えると、作るものは違っても、やるべきことは同じなのかもしれません。
「木工」とは、単に木を加工することではなく、”木”を”工”夫しながら使うこと。
何十年、何百年と生き続けてきた森からの恵み頂きながら仕事をさせて頂いている者として、
森を想う気持ちに違いはないのかもしれません。