職人である前に
先日、鵤工舎の小川三夫様とお会いする機会がありました。
西岡常一棟梁の唯一の内弟子としてご存の方も多いかと思います。
西岡棟梁のもとで修業を積み、昭和52年、独自の徒弟制度による「鵤工舎」を設立。以後、たくさんのお弟子さんを育てられ、平成19年に棟梁の座を引退し、現在は息子の量市さんに会社を譲っておられます。
かなり厳しい方だと緊張しておりましたが、気さくにお話をして下さり、作業場も見せて頂きました。若い職人さんたちが、ひたむきに作業に取り組んでいる姿を拝見し、緊張感のある作業場に、
こちらも身が引き締まる思いでした。
小川さんとお話をしていると、厳しさの中にも深い愛情に支えられた「優しさ」を感じます。
百戦錬磨の棟梁である前に、その人柄に非常に魅力を感じました。
人を育てるということは、並大抵の事ではないと思います。
時には突き放し、時には寄り添い、きっと彼らの人生と共に歩んでこられたのだと思います。
私も会社を預かり、仕事を教える立場になりました。
若手も増え、彼らの人生と共に歩む日々が続いています。
職人とはその道のスペシャリスト。
しかし、仕事だけができれば「職人」ということではないと思います。
人として常に謙虚であり、素直であること。そして「感謝の気持ち」を忘れないこと。
若手には仕事を通じて、人間としても大きく成長していってもらいたい。
そして私自信も、彼らと共に成長していきたい。
想いを新たにしています。
小川さんと御一緒に撮らせて頂いたこの写真を見つめながら…