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過去との対話

一気に暑くなってきましたね💦

久しぶりの更新です。


私たちが携わる重要文化財の修理工事は「原状回復」が基本です。

屋根工事で言えば、前回葺き替えられた時の状態に復すること。


さらに、杮葺等の伝統工法は選定保存技術にも認定されているので、材質、加工法、そして施工方法も

旧来に倣うことが鉄則となります。


修理現場から旧材(これまで使われていた材料)が送られてきました。

およそ60年以上前の物でしょうか。材種は木曽の天然サワラです。

私はこの瞬間が大好きです。


使われている材料の質、加工を施した手の跡、当時の職人がどのように作り出していったのかを想像する時間。

この瞬間から過去との対話が始まります。


もちろん木は喋りません。でも、このたった一枚の板が多くを語りかけてきます。

まるで生きているかのように。


この材料を前に恥ずかしい仕事は出来ません。

そんな緊張感すら覚えます。


今回私たちが作った屋根材は果たして将来の職人に何かを伝える事は出来るだろうか?


未来の事は分かりませんが、今この時、精一杯、知恵と技術を総動員して取り組んでいきたい。

あらためて想います。


そして今日も良質な材を求めて走り回っています。






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