天然椹への「こだわり」とは
下の写真は天然椹(左)と人工椹(右)の板材です。
いずれも木曽で産出された木材ですが、その違いは明らかですね。
一般的に目の粗い材(年輪巾の広い材)は耐久性、強度ともに弱いとされています。
ただ、決して「ダメな木」ではありません。
それを補う加工技術や乾燥技術、薬剤の浸透技術などもありますし、人工木を用いた加工製品は天然木に比べ入手しやすい為、森林資源活用の観点からもその利用は意義のあるものだと思います。
私たちが携わっている「杮葺」
その屋根は出来るだけ長くもってもらいたい。
少なくとも、耐用年限とよばれる時期までは、その役目を全うしてもらいたい。
そう願えば願うほど、材に対する目は厳しくなります。
”できるだけ良質な物を”
そうなると天然椹一択になります。
しかしながら、その出材量は次第に少なくなってきていますので、工事に必要な量を集める事は年ごとに難しくなってきています。不可能ではありませんが、材の確保にかかる時間は必然的に長くなります。
こだわればこだわるほど、厳しい状況に追い込まれますが、私たちは諦めません。
創業以来、100年以上の長きに渡り、向き合い続けた「木の良さ」を知っていますから。
秋を迎え、木曽の山々も伐採シーズンに入ります。
少ない少ないと言われながらも、多くの良質な材が出番を待ち望んでいます。
今年はどんな出会いが待っているのか?楽しみです!
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